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【学園情報】池上彰さん、世界を語る 学生向け講演
2025.06.05「志学」講演で学生たちに期待のメッセージ
KBC学園グループは5月22日、ジャーナリストの池上彰さんを講師に招き、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで講演会を開催した。94の国と地域で取材活動を行ってきた池上さんが、現在の世界情勢を踏まえ、これから社会に出ていく学生たちに向けてメッセージを送った。
講演では、現代の政治・経済の主な動きを理解するため、アメリカのドナルド・トランプ前大統領の政策を中心に、周辺諸国との関係や国際的な動向について分かりやすく解説した。トランプ氏は、輸入自動車に高関税を課すことで、国内需給の拡大を図る政策を実施しており、この影響は日本の企業にも及んでいるという。
その背景には、アメリカ国内における深刻な経済格差があると指摘。働けず貧困に陥る人々の増加や、麻薬中毒者の問題などにも触れた。池上さんは「皆さんは、これからさまざまな産業を支える存在になります。その仕事がどれほど必要とされているか、働いて給料を得られることがいかに幸せなことかを、どうか忘れないでください」と学生たちに語りかけた。
また、フィリピン・マニラのスラム街での取材経験も紹介。現地の大学生ボランティアたちが、学校に通えず働いている子どもたちのために、スラム街の近くで青空教室を開き、小学校レベルの基礎学習を教えていたという。その教室で学ぶ楽しさを知った一人の少年は、やがて教員となった。池上さんがその少年に「あなたにとって教育とは何か」と尋ねると、「決して盗まれることのない財産です」と答えたという。
池上さんは講演の締めくくりに、「皆さんが学校で学んだことは、確実に財産として蓄積され、将来社会の中で役に立ちます」と励ましの言葉を贈った。
講演を聴いた比嘉苺椛(いちか)さん(19)は、「アメリカ国内の情勢について知る機会がこれまであまりなかったので、とても貴重な時間になりました」と感想を述べた。
引用元:琉球新報
記 者:中村優希
掲載日:6月5日(木)
掲載面:11面(教育)
https://ryukyushimpo.jp/news/education/entry-4303298.html